隣の席で青春くん
「好きって…恋愛として、ってこと?」
「そう」
好きな人…友達として好きな人は多いけど、恋愛感情となると…
「…今は、いない…かな」
「今、は?」
ピクリと反応をみせた柚月に頷く。
「そりゃ、彼氏がいた時もあったけど…今は居ないし、好きな人もいないかな」
「彼氏?」
「え…う、うん…」
高校1年の時、告白されて1度だけ男の子と付き合ったことがある。
同じクラスの男の子で、何度か喋ったこともあるし嫌いじゃなかったから付き合ったけど…
どうしても、好き…という感情の食い違いが生まれて、別れてしまったけど。
「誰?同じ学校の奴?」
「う、うん…1年の時に同じクラスだった」
「どれくらい付き合ってたの」
「どれくらい…?うーん、1年経たないくらいかな」
半年…過ぎ?かな…?
結局、俺ら合わないから友達に戻ろうって向こうから言われたんだよね。
今はクラス違うから全然話さなくなったけど、普通に友達に戻れたと思う。
「どこまでいった?」
「へ?」
気づけば、柚月はすぐ近くに迫っていて上半身だけベッドに押し付けられてる形になっていた。
「え、あの…柚月…?」
目の前にある綺麗な顔が、少し怒っているような表情になる。
細くて長い指が私の唇をなぞる。
「キスはした?」
その熱っぽい表情に、心臓の鼓動がうるさいくらいに脈を打つ。