世界No.1の総長と一輪のはにゃ
花莉が飲んだのは何錠だ…
不安になって、テーブルの上に置かれたクスリのゴミの数を見てみると……
なんと、6錠分あった。
つまり、俺らでいう3回分。
パッケージには“6錠入り”と書いてあるから、1箱全部。
こんなに飲んで……
何やってんだよ……
1人にしてごめん……
寂しかったよな……
「…ごめんな、花莉」
俺は猫耳が生えた花莉をぎゅっと強く抱きしめた。
「にゃっ」
強く抱き締めすぎたのか、花莉の声が漏れた。
「…花莉……俺のこと、わかんねぇの…?」
俺が花莉のことが好きだっていうことも、告白したことも、一緒に暮らしてることも、デートしたことも…。
全部全部わかんねぇのか?
記憶がねぇのか…?
人間の言葉もわかんねぇの……?
胸の奥が痛い。
ズキズキと痛んで、唇をかみ締めた。