最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「ごめん。お待たせして」


「一花さん! 来てくれたんですね」


茅野君、すごく嬉しそうだ。


「う、うん。お疲れ様」


「お疲れ、一花。待ってたよ。早く入ろ。お腹空いちゃったよ」


私は、わざとテンション高めに言った。


一花の笑顔が引きつってる……


その顔が……見たかったのよ。


私達は、仕事の話なんかをしながら食事をした。


いたって普通の会話をそれなりに楽しく……


ううん、楽しいフリをしてっていう方が正解だ。


茅野君は何も知らない。


だから、無邪気に笑ってる。


このかっこいい笑顔も、一花のためだけのものなんだ……


みんな、一花を見てる。


私を見てくれてる人なんて、誰もいないんだ。


本当に……一花が憎い。


もう私、ここにいたくない。


「そろそろ帰るね。ごめん、後は2人で話して。また明日ね」


2人の言葉も聞かず、私はさっさと店を出た。


どっちにしても2人きりにするつもりだったから、そのタイミングが少し早まっただけ。
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