最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「向こうのホテルの部屋も抑えた、飛行機も。仕事に関しては、『グレースホテル東京』には素晴らしい人材が大勢いるんだ。俺たちが留守をしても、その間しっかり守ってくれる。何も心配することはない」


「そ、そうですよね……でもやっぱり、いきなりフランスは……」


「パスポートはあるんだろ? 前にそう聞いてたと思うし、後は何が心配?」


「何が……って……」


「何もないなら俺に任せてくれ。頼む……」


絢斗はそう言って、その長い指で私の頬にそっと触れた。


「あっ……」、思わず小さな声が漏れる。


2人きりでフランスなんて、こんな嬉しいことはない。


だけど、どうして絢斗は私をわざわざ海外に連れていこうとしてるの?


それも仕事を休んでまで。


もしかして、私が最近落ち込んでるのをわかってて、気晴らしをさせるため?


だとしたら、私はものすごく絢斗に迷惑をかけてしまってるよね。
< 168 / 257 >

この作品をシェア

pagetop