最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
ニコッと笑う山内さんに、自分の気持ちを見透かされていないかドキドキした。


「か、彼氏なんていませんから」


その時、目の前に颯爽と1人の男性が現れた。


総支配人……絢斗は、私達の前に来て、


「おはようございます。山内さん、松下さん。今日もよろしくお願い致します。山内さん、何かあれば私に報告よろしくお願いします」


と、一礼して、優しい笑みと共に立ち去った。


キリッとした一連の立ち居振る舞いが、「グレースホテル東京」の品格にピッタリとハマっていて見事だと思った。


チーフの山内さんも、ピンと背筋が伸び、私も一段と気が引き締まる思いがした。


絢斗は、朝の全体朝礼を終えてから、毎日、必ず時間をかけて、ホテルの隅々までくまなく回っている。


宿泊して下さっているお客様はもちろん、従業員にも丁寧に挨拶をしているんだ。
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