最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
そう、どんなに嬉しくても、私は……


総支配人が……


絢斗が、好きなんだ。


絢斗は私に彼女役を頼んだだけで、きっと、そこに深い意味はないんだとわかってる。


わかってるけど……


わかってるんだけど……


「ただ……?」


茅野君は、不安そうな視線を私に向けた。


その眼差しに少し躊躇しながらも、私は言った。


「私ね。今、好きな人がいるの」


数秒の沈黙。


「……そっか……そうなんですね……一花さん、好きな人、いるんですね」


一生懸命、言葉にしてくれた茅野君に申し訳ない気持ちになった。


「うん……ごめん」


「謝らないで下さい。彼氏がいるんじゃないかとか、好きな人がいるんじゃないかとか、もちろん考えてはいましたから。一花さんみたいな素敵な女性に相手がいないなんて、おかしいですよね。でも……それでも、今日はどうしてもあなたに告白したくなってしまいました」
< 83 / 257 >

この作品をシェア

pagetop