それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
2 アザの伝説
翌日。
「千波ちゃんー……怒ってる……?」
昨日と同じ席にいたわたしに、昨日の堕天使が声をかけてきた。
「怒ってなかったら昨日のうちにお礼の連絡くらいしてたかもねえ」
トゲトゲトゲ。
藍田くんはトゲを感じているのか、居心地悪そうに顔をゆがめた。
「ごめん……。昨日は浮かれてた……」
昨日と同じようにわたしの隣の席に座って、頭を下げて来た藍田くん。
わたしは読んでいた本を閉じて膝の上に置いた。
「怒ってるけど……まだ怒ってたらわざわざこの場所にいないよ」
うう……自分で言ってて恥ずかしい……。
でも、昨日の藍田くんの所業に怒り続けていたら、藍田くんが来ても話せるような場所にいない。
「ほんとっ?」
うう……大天使に戻ってる……。
「ほんと。それと……昨日はわたしこそごめん。痛かったでしょ……?」
近づいて来る藍田くんに戸惑ったわたしは、頭突きを食らわして図書館を逃げ出したのだった……。
「全然。俺石頭だから。千波ちゃんこそ大丈夫だった?」
「たんこぶ出来た」
「ごめん! もうしないから!」