それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「俺は一人っ子。けど、両親の友達の子供に生まれたのが近いの何人もいて、幼馴染は結構いるよ」
「幼馴染かー。なんか憧れるね。その中で付き合ったりするのかな」
「恋愛だったら俺としよ?」
「今度は足踏みますよ」
「それ痛いやつでしょ」
うん、今日も絶妙に暖簾に腕押しだ。
……けど。なんでわたしの鼓動は早くなっている……⁉ あれか! 藍田くんが浮ついたこと言うからそれにつられてるだけ!
「ちな?」
もう少しで家につくという場所で、後ろから名前を呼ばれた。
この呼び方をするのは――
「お姉ちゃん! 帰ってたの⁉」
私の三歳年上、今年大学一年生の千聖(ちせ)お姉ちゃんだ。
わたしはお姉ちゃんに駆け寄って抱き付く。
わたしの頭を撫でてくれるお姉ちゃん。むふふー、お姉ちゃん大好きー。
「うん。明日のお昼まで休みになったからちなの顔見にきた。……そっちは?」