それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「………」
「ちな?」
「いやいや、ありえないでしょ。わたし醜女と呼ばれて十五年だよ」
自分でもわかるくらい平坦な目になっている。
お姉ちゃんは後ろに両手をついて、またにやにやした。
「それも藍田くんの戦略な気がするんだよねー」
「戦略?」
「ちなが自分と逢う前に、ほかの男にとられないように、わざと」
……わざと、目立つようにした、と?
「……もしそれが本当だとしたら……」
「したら?」
お姉ちゃんはにやつきを続行させながらわたしを見て来る。
「藍田くん性格悪いな……」
「……少しはときめいてあげたら?」
今度はお姉ちゃんが平坦な目になった。