それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「姉の私にまで妬くような子だよ? ちなもまんざらじゃないんじゃない?」
「藍田くんとお姉ちゃんがバチバチしてたの、そういう理由だったの?」
あのとき、私としては空で雷でも鳴っている心地だったよ……。
「ちな、見るなり私に抱き付いてくるから、藍田くん悔しかったんじゃない?」
「……更にお姉ちゃんは藍田くんに喧嘩売ったと?」
「だって藍田くん、絶対ちなのことさらってくもの。恋愛なら俺としよう、とか口説いてたし」
「! 聞いてたの⁉」
わ、わたしがなんとか戯言だと聞き流していたところを……!
「聞こえちゃったの。ちなの袖の仕方が面白くてすぐ声かけなかったけど」
「お、お姉ちゃん!」
「で? ちなはあれ、本気だって思ってあげないの?」
「う……」
……本気だって、……わかってる、けど……。
「こ、告白とか、されたわけじゃない、し……」