それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

「姉の私にまで妬くような子だよ? ちなもまんざらじゃないんじゃない?」

「藍田くんとお姉ちゃんがバチバチしてたの、そういう理由だったの?」

あのとき、私としては空で雷でも鳴っている心地だったよ……。

「ちな、見るなり私に抱き付いてくるから、藍田くん悔しかったんじゃない?」

「……更にお姉ちゃんは藍田くんに喧嘩売ったと?」

「だって藍田くん、絶対ちなのことさらってくもの。恋愛なら俺としよう、とか口説いてたし」

「! 聞いてたの⁉」

わ、わたしがなんとか戯言だと聞き流していたところを……!

「聞こえちゃったの。ちなの袖の仕方が面白くてすぐ声かけなかったけど」

「お、お姉ちゃん!」

「で? ちなはあれ、本気だって思ってあげないの?」

「う……」

……本気だって、……わかってる、けど……。

「こ、告白とか、されたわけじゃない、し……」

< 29 / 87 >

この作品をシェア

pagetop