それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

藍田玲哉の名前がある。

でも、向こうから連絡はない。

藍田くん、わたしに持ってるだけでもいいから、って言ってたし……。

「ぬおおおおおお! なんでわたしがこんな煩悩を……!」

布団にぐりぐり頭を押し付けて叫ぶ。

イロコイとは無縁の場所にいたのに……!

「そうだ! 藍田くんがわたしに気がないとわかればわたしもすっきりするはず!」

とか安直なことを考えて、メッセージを打った。

『藍田くんは彼女いないんですか?』

いや待て。これはわたしの方が気があって探ってる風にしか――あ、送信しちゃった。

そしてすぐに既読がついた。

『いないよ。俺が好きなのは、千波ちゃん』

そして返事が帰って来た。……え。

『電話してもいい?』

続けて藍田くんからのメッセージ。

わたしの思考回路がついていけないうちに、着信音が鳴った。

「は、はいっ」

あ。思わず出てしまった……。

『千波ちゃん、今大丈夫……?』

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