それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

「うん」

「アザをつけてごめん、ってこと……?」

時折わたしの左頬を見る目からは、申し訳なさを感じる。

けれど藍田くんは首を横に振った。

「それについてはつけといてよかったって思ってる。じゃないと今頃、千波ちゃんに彼氏いたかもしれないし」

「………」

「謝ったのは、俺がそれつけたことで、千波ちゃんが嫌な思いしてきたことに対して」

嫌な思い……。

「……醜女って呼ばれてたやつ?」

「うん……。牽制のためとはいえ、そんな扱いされてるって知らなかったから……」

「牽制?」

「アザのこと、知ってるやつは結構知ってるでしょ? お姉さんとか」

「……お姉ちゃんはずっと知ってたみたいだけど……」

「だから、まだ出逢ってなくても千波ちゃんには俺がいるよ、っていう、牽制」
 
にっこり藍田くん。

また大天使が堕天した……!

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