それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「苗字だよ。司由羽って名前」
「え……。もしかしてだけど、ゆうって漢字、『自由』の『羽』って書く……?」
「うん。……なんで知ってるの?」
「俺の知ってる由羽だったとしたら、前に言った幼馴染の中の一人……」
「お、幼馴染の⁉ えーと、妹さんは羽咲ちゃんであってる……?」
「羽咲ちゃんのことも知ってるのっ?」
「この前お寺で司くんと羽咲ちゃんと逢った」
「それは由羽で間違いない」
「………」
「………」
思わず見つめ合ってしまった。これは……どういうこと? わたしと藍田くんには別のつながりもあったということ……?
それって、どうあってもわたしは、藍田くんと出逢っていたかもしれないってことじゃ……?
藍田くんが先に天を仰いだ。
「あー、そっかー。由羽のやつ彼女出来たのかー」
「王子もなかなかの無自覚だったよ?」
「由羽はね、母親に似てるから仕方ないんだ。あー、俺も千波ちゃんの恋人名乗りたいー」
「だから藍田くんそういうことは……」
「好きだよ」