それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
番外編
side千波
休日になると図書館へ来るのは変わらない。
那也の試合観戦へは、また行くようになった。
変わったのは、居座る場所。
「ちなみちゃ~ん……」
「うわっ、びっくりした……どうしたの?」
すみっこの椅子にいると、玲哉くんが幽霊のような存在感の薄さでやってきた。
はあ……とため息をつくゆうれ……玲哉くんに、まあ座りなよ、と隣の椅子をたたく。うん、と肯く玲哉くん。
「なんか疲れてる……?」
「うん……」
がっくり項垂れる玲哉くん。
いつも元気だった玲哉くんの、初めて見る姿だ。
「なにかあった? 話せること……?」
「総真が……」
「碓氷くん?」
「総真が……生徒会長を退学に追い込もうとした……」
「……はっ?」