それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
番外編

side千波


休日になると図書館へ来るのは変わらない。

那也の試合観戦へは、また行くようになった。

変わったのは、居座る場所。

「ちなみちゃ~ん……」

「うわっ、びっくりした……どうしたの?」

すみっこの椅子にいると、玲哉くんが幽霊のような存在感の薄さでやってきた。

はあ……とため息をつくゆうれ……玲哉くんに、まあ座りなよ、と隣の椅子をたたく。うん、と肯く玲哉くん。

「なんか疲れてる……?」

「うん……」

がっくり項垂れる玲哉くん。

いつも元気だった玲哉くんの、初めて見る姿だ。

「なにかあった? 話せること……?」

「総真が……」

「碓氷くん?」

「総真が……生徒会長を退学に追い込もうとした……」

「……はっ?」

< 41 / 87 >

この作品をシェア

pagetop