それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

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千波ちゃんが家に呼んでくれるという嬉しすぎる展開に若干泣きそうになったけど、浮かれてばかりもいられない。

絶対に、いるから。

「あれ? お姉ちゃんの靴だ」

玄関に入った千波ちゃんが驚いたように声をあげた。

「千聖さん?」

「うん。帰ってくるって聞いてなかったけど……急用でもあったのかな?」

あっただろうね。すっげえ大事な急用が。

千波ちゃんがリビングに通じるドアを開けると、コーヒーのいい香りが漂って来た。

「あ、おかえり」

千聖さんが、キッチンカウンターでコーヒーを落としているところだった。

「お姉ちゃん、どうしたの?」

「バイトが休みになっちゃったからちょっと帰って来ただけだよ。藍田くんの分もコーヒーでいい?」

……わざとらしい演技。俺は笑顔を返すだけにとどめた。


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