それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

お父さん、お母さん、お姉ちゃんがそろっていて、みんなを前に玲哉くんが口を開いた。

「はじめまして。あい――

「「藍田先輩⁉」」

「? はい、藍田です」

玲哉くんを遮って、お父さんとお母さんが同時に叫んだ。

お母さんは驚き顔で、お父さんは顔を引きつらせている。

……せんぱい?

「玲哉くん、いつの間にうちの両親の先輩になったの?」

「いや、さすがにそんなわけないよ」

意味がわからず玲哉くんと顔を見合わせた。

玲哉くんも困った顔をしている。

「あ、藍田尚哉、先輩……?」

顔をひくつかせながらのお父さんの言葉。

藍田……なおや?

玲哉くんも首を傾げていたけど、お父さんの呼び方でその理由わかったようだ。

「尚哉は父の名前で、僕は玲哉といいます」

「あらぁ……」

お母さんが玲哉くんに近寄って来て、まじまじと見ている。

「れいやって、名前、もしかしてお母さまは新垣玲奈さん?」

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