それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「はい。新垣は旧姓ですが……」
「まあ! やっぱりご結婚されてたのねぇ! そりゃそうよねえ。ラブラブカップルだったのものねえ! ねえ、あなた」
「………」
……何故かお父さんは、玲哉くんを化け物でも見るような目で見て来る。
「あのー、いい加減座らせてあげたら? ちなも藍田くんも突っ立ったまんまだよ」
お姉ちゃんに言われて、やっとリビングソファに座ることが出来た。
だが、お父さんはダイニングテーブルの椅子に座ったまま動かない。
二人掛けソファに私と玲哉くん、お姉ちゃんはこの前みたいにカウンターに背中を預けてコーヒーカップを傾けている。
お母さんがお茶の準備を始めたから、私も手伝いに立ってから、またソファに戻った。
「僕の両親をご存知なんですか?」
玲哉くんが、わたしにとっても今一番の疑問を口にした、