それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

「はい。新垣は旧姓ですが……」

「まあ! やっぱりご結婚されてたのねぇ! そりゃそうよねえ。ラブラブカップルだったのものねえ! ねえ、あなた」

「………」

……何故かお父さんは、玲哉くんを化け物でも見るような目で見て来る。

「あのー、いい加減座らせてあげたら? ちなも藍田くんも突っ立ったまんまだよ」

お姉ちゃんに言われて、やっとリビングソファに座ることが出来た。

だが、お父さんはダイニングテーブルの椅子に座ったまま動かない。

二人掛けソファに私と玲哉くん、お姉ちゃんはこの前みたいにカウンターに背中を預けてコーヒーカップを傾けている。

お母さんがお茶の準備を始めたから、私も手伝いに立ってから、またソファに戻った。

「僕の両親をご存知なんですか?」

玲哉くんが、わたしにとっても今一番の疑問を口にした、

< 59 / 87 >

この作品をシェア

pagetop