それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

紅茶をカップに注ぎながら、お母さんが答える。

うちではお姉ちゃんだけがコーヒー党で、紅茶は飲まないんだ。

だから自分で淹れてすでに飲んでいるんだろう。

「もちろん。わたしたちの高校の頃の先輩よ。お父さんなんて、高校生の頃に他校の人ともめごと起こしてそのとき生徒会副会長だった藍田先輩にシメられたことがあってそれ以来丸くなっちゃったのよ」

「「え」」

「千早(ちはる)!」

わたしとお姉ちゃんの声が重なって、お父さんが怒鳴った。

いつもは「お母さん」って呼んでいるのが、名前呼びになるほど動揺しているみたいだ。

お母さんはくすくす笑いながら暴露を続ける。

「お父さん、前はもっととんがってたのよねえ」

……つまりは不良だったってこと? うそ、全然知らなかった……。

お父さんとお母さんって幼馴染夫婦だから、お互いのことほんとよく知ってるんだよね……。

「すみません、父が……」

玲哉くんが謝る必要はないと思うけど、シメられた発言にびっくりしたのか、そう口にした。

お母さんは首を横に振る。

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