それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

……ついに本音が出たよ。お父さんって残念……。

「お父さん、さすがにそれは情けないわ」

「うっ……」

お母さんに言われてダメージを喰らったお父さん。わたしもそう思うよ。

「お父さんが連れて来いって言うから来てくれたのよ? それをそんな扱いして」

「っ……」

あーあ。いつも通りお母さんに言い負かされている。

うちは割と、お父さんがお母さんにべた惚れ夫婦だから、喧嘩してもお父さんが勝ったことないんだ。

「いえ。父たちが騒がしいほうだったのは聞いておりますので、ご迷惑をおかけしていましたら申し訳ありません」

だから玲哉くんが謝ることないのに……と思ったけど、玲哉くんのそんな紳士的な態度にお父さんは完全敗北だった。

ダイニングテーブルの椅子に座ったまま真っ白に燃え尽きてしまった。

「今日は急におたずねしましたので、紅茶をいただいたらお暇(いとま)しようと思います」

更に玲哉くんの穏やかな態度がお父さんにトドメを刺したようだ。ビクッと肩が跳ねていた。

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