それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「それ話すためにここに呼んだの。家じゃ話しにくいから……。お父さんとお母さんが幼馴染で、高校あたりで付き合ったって、知ってるよね?」
「うん」
お父さんとお母さんは家が近い幼馴染で双方の祖父母も仲良しだから、おじいちゃんやおばあちゃんから両親の昔話はたくさん聞いてきた。
お姉ちゃんは画面のついていないスマホに視線を落とした。
「お母さんの友達に聞いたんだけど、付き合うまで色々あって、その中のひとつが……」
お姉ちゃんは言いにくそうに言葉を濁したけど、結局頭(かぶり)をひとつ振って教えてくれた。
重大発表でもするような重々しさで。
「藍田くんのお父さんが、お母さんの初恋の人、なんだって……」
「……え」
玲哉くんのお父さんが……? え、どういうこと?
「お母さんが高校に入って一目惚れしたみたいなの。それまでお父さんとはただの幼馴染で、恋愛どうのは気配もなかったんだって。お父さんが反発しまくるわけだわ。シメられた先輩な上に、嫁の初恋の人だなんてね。おまけに藍田くん、父親似なんでしょ?」
「……」
そんなこと、ある? 驚きが過ぎてむしろ感心してしまうよ。