それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】

えーと、お父さんにとって玲哉くんのお父さんは怖い先輩で、大好きなお母さんの初恋の人……。

「つまり玲哉くんのお父さんは、うちのお父さんにとっては……」

「天敵みたいなものなのでしょうね。昨日のは明らかにお父さんが狭量だけど、ここまで知ったらちょっと同情できなくもないわ。しないけど」

しないんだ。わたしもしないけど。

「どうしようもないね、ほんと……」

気が抜けたのか、呆れてしまったのか、肩から力が抜けた。

安心しての力の抜け方ではないな。

「うん。こればっかりは藍田くんにどうしろとも言えないわ」

「そう言えばお姉ちゃん、玲哉くんのことかばってくれてありがとうね」

昨日、わたしが怒るより先にお父さんに怒ってくれたお姉ちゃん。

味方してくれて嬉しかった。

「当たり前よ。ちなの相手には藍田くんしか認めないもの」

お姉ちゃんはさも当然と言うように軽く腕を組んだ。

「そうなんだ」

ふふっと、こんなときだけど笑ってしまった。

ありがとう、お姉ちゃん。

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