それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
一通りの話を聞いた総真は深く肯いた。
「尚哉さんに惚れたんなら坂野さんのお母さんはまともな人だな。想に惚れるのはろくな奴がいない」
「それって一周まわって自虐ネタだからな?」
自虐を通り越して羽咲ちゃんをディスっているくらいだ。
俺が父さんと似ているのは見た目くらいだから。
総真は想さんの生き写しレベル。
「で? 諦めるのか?」
真剣な顔の総真の言葉は俺には一蹴できる。
「なわけない」
「――って言うんなら、お前はそうするんだろうな」
かはっと笑う総真。
当たり前だろ。
こちとら時空超えて恋してんだ。
反対されたからって諦めるわけがない。
何をしてでも認めてもらえるよう最善を尽くす。それだけだ。
「反対されたくらいで諦めつく心臓じゃないんでな」
「それは重畳。がんばれ」
「なに? 味方してくれんの?」
「当然」
「そうか」