それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「………」
不機嫌な顔になるお父さんだけど、ちゃんと言わなくちゃ。
昨日はわたしも頭にきて何も言えなかったから。
「こ、こういうこと言うの恥ずかしいけど、わたしは最初玲哉くんのこと、変わった人だなって思ってた。わたしなんかを好きになるんだもの。でも、玲哉くんはすごく綺麗だった。うまく言えないんだけど、こう……魂が綺麗と言えばわたし的にはしっくりくるんだけど、そんな感じなの。それから一番大事なことだけど、すごく優しい。こんな神様みたいな人がいるのかってくらい。……お願いだから、玲哉くんの周りじゃなくて、玲哉くんを見てほしい。その上で反対するって言うんなら、わたしもまた考えなくちゃいけない」
もちろん、別れるとかいう方向ではなく、お父さんを説得するための考えだ。
お父さんはしばらく黙ったまま、足元に視線を落としていた。
どうくる……。
「……悪かった」
「……え?」
「だから、悪かった。昨日はお父さんの態度が悪かった」