白練
第2章 花の戯れ 初見
私は浴室で風呂を終え、初めて高そうな服を貰い、着方が分からなかったが美夜は着替えるのを手伝ってくれた。扉を開け、廊下の世界と交じり合う。
室内灯は細工をした品のあるものであった。壁に飾ってある高価な絵、アンティーク家具、美味しそうなシフォンケーキと毛が長いふかふかな絨毯、清潔感が溢れた屋敷。
左へ右へ興味を示してるうちに御主人がいる部屋に着いた。眩しい太陽の光を遮るカーテンが引かれた部屋。
驚いた。
まさか、昨日のお嬢様らしい人が屋敷の御主人だったとは思ってもなかった。
この屋敷の静寂と美に相応しい人。
「御主人様、新しい使用人で御座います。それでは失礼致します。」と美夜は一言を残し私を置き去りした。
御主人は腰を掛けた革の椅子から立ち、紫のドレスを着ていた細い身体に絹のような白い肌、ゆるやかな美しい目に長いまつ毛、鼻筋が通っている。さくらんぼの様な小さい口。
儚(はかな)げな指先が視界に入る。
御主人様は私の頭を撫でた。
菫菜(スミレ)の妖精と思う程に美しい。
まさに愛おしさの衝突です。
この方の傍らに居られるならば、何もいらないと一瞬で思った。
「あなたは、漣と言う名前ですよね。」
「は.......はい。漣です。」
「宜しい、私の名は古淵紅(こぶちくれない)。今日からあなたは私だけの使用人。」
「承知致しました。」
「今からはモーニングティーの準備をお願いね。美夜はあなたをサポートするので、心配いらないよ。準備出来たら持って来てね。」
「かしこまりました。古淵様。」
言葉を切ると同時に古淵様は蝶の羽の如きの瞬きをした。沈黙な間に私たちは、瞳を逸らす事なく見つめ合って、どこから寂し気な感じをした。
「失礼致します。」私は退室した。
廊下にいる私、古淵様はどこかで見覚えのある人だったような不思議な感覚をした。
美夜からは色々教わってくれた。
暫くすると、モーニングティーを運び、再び古淵様がいる部屋に向かい、部屋から漏れた美しいピアノのメロディが耳に響いた。
これはスコットランド民謡である「蛍の光」。
私はドアをノックして入り、蓄音機から切ないポエムのようなメロディが部屋に溶け込んでいた.......
室内灯は細工をした品のあるものであった。壁に飾ってある高価な絵、アンティーク家具、美味しそうなシフォンケーキと毛が長いふかふかな絨毯、清潔感が溢れた屋敷。
左へ右へ興味を示してるうちに御主人がいる部屋に着いた。眩しい太陽の光を遮るカーテンが引かれた部屋。
驚いた。
まさか、昨日のお嬢様らしい人が屋敷の御主人だったとは思ってもなかった。
この屋敷の静寂と美に相応しい人。
「御主人様、新しい使用人で御座います。それでは失礼致します。」と美夜は一言を残し私を置き去りした。
御主人は腰を掛けた革の椅子から立ち、紫のドレスを着ていた細い身体に絹のような白い肌、ゆるやかな美しい目に長いまつ毛、鼻筋が通っている。さくらんぼの様な小さい口。
儚(はかな)げな指先が視界に入る。
御主人様は私の頭を撫でた。
菫菜(スミレ)の妖精と思う程に美しい。
まさに愛おしさの衝突です。
この方の傍らに居られるならば、何もいらないと一瞬で思った。
「あなたは、漣と言う名前ですよね。」
「は.......はい。漣です。」
「宜しい、私の名は古淵紅(こぶちくれない)。今日からあなたは私だけの使用人。」
「承知致しました。」
「今からはモーニングティーの準備をお願いね。美夜はあなたをサポートするので、心配いらないよ。準備出来たら持って来てね。」
「かしこまりました。古淵様。」
言葉を切ると同時に古淵様は蝶の羽の如きの瞬きをした。沈黙な間に私たちは、瞳を逸らす事なく見つめ合って、どこから寂し気な感じをした。
「失礼致します。」私は退室した。
廊下にいる私、古淵様はどこかで見覚えのある人だったような不思議な感覚をした。
美夜からは色々教わってくれた。
暫くすると、モーニングティーを運び、再び古淵様がいる部屋に向かい、部屋から漏れた美しいピアノのメロディが耳に響いた。
これはスコットランド民謡である「蛍の光」。
私はドアをノックして入り、蓄音機から切ないポエムのようなメロディが部屋に溶け込んでいた.......