白練
第4章 花の悪戯 明瞭
古淵様は食事をしている姿は控えめで上品、婉然で典雅。遂に私の目は釘付けになった。気がついたら、心が奪われていたかもしれない。
朝食後。
「本日の予定は?」
「本日は朝食後の予定が何も御座いません。ご昼食後のピアノ授業は教授の個人事情によりキャンセルされました。」
「キャンセル?まぁ、いいでしょ。漣、一緒にピアノを弾こう。」
「はい…」
紅様は綺麗な指先でモノクロの鍵盤に単調ではないメロディを演奏。繰り返して同じ曲を弾き、楽譜を見ても分からない私は紅様から教わってくれた、距離は近かった。
頬が上気し薄っすらと紅を乗せたと感じた頃、私の視界は紅様の笑顔に埋め尽くされ、心の鼓動はメロディよりも速いテンポを打っていた。
「今日は暇なので館内を探検しょう。」
「あ……はい…」
二階建ての大きなお城のような中、二人で回り、書斎の本の多さに驚き、壁を埋める多種多様の書物に心躍った。
私は本に迷いなく手を出した。外国の言葉が書かれてあった本に難儀していたら、楽し気に説明してくれた。知的な感覚の紅様は寛大な心の持ち主でありながら、何もかも繊細。その洗練さで私の心に切り刻まれていく。
「漣は好きな時に好きなだけ本を読んで下さい。でもあまり夢中になって、私を放って置いたら怒るからね。」
「はい……有難うございます!」
本が好きな私は神様に感謝した。
書斎から庭へ探検。
まだ春寒がの残っている冷たい空気の中、密かに咲く紫の菫菜。
純潔で閑雅な美。
屋敷の周りはホントにいい香りがする…
上京したばかりの私には細やかな事も楽しみになっていた。
紅様は植え込みの花壇に咲いた菫菜をたくさん摘み、私に半分くれた。私は香りを思う存分に堪能、幸せな声が漏れた。
「貴方も、もしかして菫菜が好きなの?」
「はい。菫菜は世界一美しい花ですから。」
私は二つの花輪を作り、一つは紅様の頭に被った。艶のあるサラサラの長い髪の毛。風が目の前の香りを運び、本当にいい香り……
紅様は綺麗な手を重ね、私の手の甲を撫でた。友達繋ぎして遊歩道で歩き、岐れ路があった。右に進むと私の目の前に現れたのは大きな池に壷を抱えた裸身の女神像。小さな滝が壺から噴水へと水を注ぎ込む。
二人は池の縁を歩き、紅様は足が滑り池へ落ちた。私は道連れだった。池で水飛沫を楽しみ、濡れた服はべったりと肌に付きいた。
太陽の光の温かみが肌に優しく感じ、光のせいで紅様のまろやかな乳房の形が、はっきりと見えて、濡れた蠱惑的な姿に再び燃えてきた。
「漣。その唇……」
私は伏いていた視線を思わず上げてた、紅様の瞳と交差した瞬間に感じた事のない情炎が身に焦がし、激しい情欲に迫り、全身に溢れが粟立った。
そして、紅様の舌は優しい生き物のように入って来た。驚くほど柔らくて、よく感じてみると熱い果実のよう……
朝食後。
「本日の予定は?」
「本日は朝食後の予定が何も御座いません。ご昼食後のピアノ授業は教授の個人事情によりキャンセルされました。」
「キャンセル?まぁ、いいでしょ。漣、一緒にピアノを弾こう。」
「はい…」
紅様は綺麗な指先でモノクロの鍵盤に単調ではないメロディを演奏。繰り返して同じ曲を弾き、楽譜を見ても分からない私は紅様から教わってくれた、距離は近かった。
頬が上気し薄っすらと紅を乗せたと感じた頃、私の視界は紅様の笑顔に埋め尽くされ、心の鼓動はメロディよりも速いテンポを打っていた。
「今日は暇なので館内を探検しょう。」
「あ……はい…」
二階建ての大きなお城のような中、二人で回り、書斎の本の多さに驚き、壁を埋める多種多様の書物に心躍った。
私は本に迷いなく手を出した。外国の言葉が書かれてあった本に難儀していたら、楽し気に説明してくれた。知的な感覚の紅様は寛大な心の持ち主でありながら、何もかも繊細。その洗練さで私の心に切り刻まれていく。
「漣は好きな時に好きなだけ本を読んで下さい。でもあまり夢中になって、私を放って置いたら怒るからね。」
「はい……有難うございます!」
本が好きな私は神様に感謝した。
書斎から庭へ探検。
まだ春寒がの残っている冷たい空気の中、密かに咲く紫の菫菜。
純潔で閑雅な美。
屋敷の周りはホントにいい香りがする…
上京したばかりの私には細やかな事も楽しみになっていた。
紅様は植え込みの花壇に咲いた菫菜をたくさん摘み、私に半分くれた。私は香りを思う存分に堪能、幸せな声が漏れた。
「貴方も、もしかして菫菜が好きなの?」
「はい。菫菜は世界一美しい花ですから。」
私は二つの花輪を作り、一つは紅様の頭に被った。艶のあるサラサラの長い髪の毛。風が目の前の香りを運び、本当にいい香り……
紅様は綺麗な手を重ね、私の手の甲を撫でた。友達繋ぎして遊歩道で歩き、岐れ路があった。右に進むと私の目の前に現れたのは大きな池に壷を抱えた裸身の女神像。小さな滝が壺から噴水へと水を注ぎ込む。
二人は池の縁を歩き、紅様は足が滑り池へ落ちた。私は道連れだった。池で水飛沫を楽しみ、濡れた服はべったりと肌に付きいた。
太陽の光の温かみが肌に優しく感じ、光のせいで紅様のまろやかな乳房の形が、はっきりと見えて、濡れた蠱惑的な姿に再び燃えてきた。
「漣。その唇……」
私は伏いていた視線を思わず上げてた、紅様の瞳と交差した瞬間に感じた事のない情炎が身に焦がし、激しい情欲に迫り、全身に溢れが粟立った。
そして、紅様の舌は優しい生き物のように入って来た。驚くほど柔らくて、よく感じてみると熱い果実のよう……