イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
勢い余って立ち上がると、それをポカンとした顔で見つめる向葵くん。
「結衣ちゃん?」
「あ、いやっ、あの…!」
直後、慌てて手をジタバタさせたあと、座り込む私を見て、クスッと笑った向葵くん。
うう〜、恥ずかしい。
もうっ……最悪……っ
ベンチの端で縮こまる私。
「…じゃあ、手繋いでみてもいい?」
いきなり向葵くんがそんなことを言うものだから、驚いた私は「……へ?」と間抜けな声をもらす。
えっ……
ちょっと待って。
今、何て言った……?
向葵くんの言葉を頭の中でリプレイする。
“じゃあ、手繋いでみてもいい?”