イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
第三章
突然の侵入者
*
お昼休みに、向葵くんからメッセージが届いた。
その内容は『“放課後少しだけ遅れる。ごめんね”』というものだった。
何気に、それが初メッセージ。
向葵くんからの、っていうのがなぜか嬉しくて、喜びを倍増させた。
…とまあ、そんなわけで、私は今、校舎裏のベンチに一人座って待っている。
いつもなら向葵くんが必ずこのベンチで座って待っているから、待つ側を体験することはなくて、だから少しだけわくわくしている。
(…向葵くんは、いつもどんな気持ちで待っててくれてるんだろう。)
そんな疑問が、ふと、浮かんで、私は無意識に空を見上げた。
広々とある空に、青色とオレンジ色の絶妙なグラデーションが描かれている。
「……うわ〜、すっごい綺麗…」
思わず、そんな言葉をもらす私。