イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
「…結衣ちゃんが書いてくれたのかなって少し驚いちゃった」
「ご、ごめんね」
落書きされている教科書を机の中にそそくさとしまう。
……明日、絶対に消そう。
そう心の中で思っていると「…でも」と向葵くんが、何かを呟き始める。
どうしたんだろう? と不思議に思って、少しだけ隣に視線を向けると。
「ちょっとだけ嬉しかったな」
「えっ…う、嬉しい……?」
「うん。俺がいないときも結衣ちゃんが俺のことを考えてくれてるのかな、って勝手に思っちゃったんだよね」
そう言ったあと「…やべ、かなり恥ずかし」と手で口元を覆った向葵くん。
その仕草に、キュンと、胸が高鳴った。
「あーっ……恥ずかしい…」
もう一度呟いたあと、机の上に項垂れた向葵くん。