イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


──ハッ。

な、何、勝手に匂い嗅いじゃってるの…!

慌ててかばんの中にハンカチを詰め込んでいると。


「あと、これも受け取ってほしいんだけど…」


不意に、向葵くんが言った。

それに「えっ?」と驚いて視線を向けると、向葵くんが持っていたそれは、可愛らしい包み紙。

……何だろう?

私が貸したのは、これだけのはずなのに。

疑問に思いながら、その可愛らしい包み紙を受け取ると「…気に入ってくれるか分かんないけど。」と困り顔で笑う向葵くん。

少しだけ、頬が染まっている気がした。

……気に入ってくれるか分からない?

ますますわけが分からなくなりながらも、それを開けると、そこに入っていたのは──


「……えっ……。」


淡いピンク色の生地に、端っこの方に小さなひまわりが刺繍してある可愛らしいハンカチだった。

……でも、えっ……?
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