イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


「昨日は、ごめんね」

眉を下げて謝る向葵くん。


昨日は、というワードで瞬時に記憶が蘇ってきて、ドキッと反応した私は緊張を誤魔化すように「あっ、ううん、大丈夫」と無理に笑って見せた。

……まさか、こんな早くに向葵くんからその話題を持ち出されるなんて…。


「ほんとは結衣ちゃんと話ししたかったんだけどね」


そう言うと苦笑いをして、空を仰いだ向葵くん。

えっ……

私と話したかった…?

……ほんと、なのかな…。

今までなら向葵くんの言葉が真っ直ぐで嬉しいと思っていた。

それなのに、今の私、それを素直に受け取れなくなっている。

私、嫌なやつみたい……。


「いきなり友達からメッセージ届いて、行かなくちゃならなくなって…」

< 227 / 335 >

この作品をシェア

pagetop