イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


……どうしてなんだろう。


「またひどいこと言われたりしなかった?」


奈央ちゃんの声は少し心配そうにしているようで。


「あ…それは、大丈夫だったよ。」


私の言葉を聞いた奈央ちゃんは「そう。」と安堵の息をもらした。

…あの日の歩美ちゃんは、初めて会ったときより、落ち着いててずっとずっと可愛らしい女の子だった。

きっと、好きな人ができたら誰だって嫉妬しちゃうと、あんなふうになるのかもしれない。


「それで結衣は、そのときに気づいたの?」


私は小さく頷くと「…そっか」と目を伏せた奈央ちゃん。


「どういう経緯であれ、気持ちに気づけたのならよかったね」

と、奈央ちゃんは私の頭を撫でた。


私、奈央ちゃんにたくさん心配かけちゃったんだ……。

ほんとに申し訳ないなぁ。

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