イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
傷つくことを恐れてたら何もできない。
……確かに、その通りかも。
でも私………
「これ以上、向葵くんに嫌われたく…ない」
嫌われるのが怖い。
怖くて、身動きがとれなくなる。
俯いて、ぎゅっと目を閉じる私。
──すると「結衣。」と私の名前を呼んだ奈央ちゃん。
恐る恐る顔を上げると、優しい笑顔を見せた奈央ちゃん。
「結衣、ちょっと手出してみて」
「えっ…」
驚く私に「いいから、ほら早く」と急かすように言われ、わけが分からないまま机の上に手を置いた私。
その直後、かばんから何かを外すと、それを私の手首に付けた奈央ちゃん。
えっ……
奈央ちゃんこれって──…
「結衣にこれ貸してあげる。」