イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


傷つくことを恐れてたら何もできない。

……確かに、その通りかも。

でも私………


「これ以上、向葵くんに嫌われたく…ない」


嫌われるのが怖い。

怖くて、身動きがとれなくなる。

俯いて、ぎゅっと目を閉じる私。

──すると「結衣。」と私の名前を呼んだ奈央ちゃん。

恐る恐る顔を上げると、優しい笑顔を見せた奈央ちゃん。


「結衣、ちょっと手出してみて」

「えっ…」


驚く私に「いいから、ほら早く」と急かすように言われ、わけが分からないまま机の上に手を置いた私。

その直後、かばんから何かを外すと、それを私の手首に付けた奈央ちゃん。

えっ……

奈央ちゃんこれって──…


「結衣にこれ貸してあげる。」

< 278 / 335 >

この作品をシェア

pagetop