イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
この想いをキミに。
放課後。
ドキドキしながら校舎裏へ向かうと、まだ、そこには向葵くんはいなかった。
いつもなら向葵くんが先に座っていたのに…
姿がなくて、ホッとすると同時にぽっかりと心に穴が開いたような気分になった。
(……そりゃそうだよね。だって、私が一方的に突き放したんだもん。)
いなくて当たり前だよね…。
来てくれるかな。
それともやっぱり来ないかな。
不安な気持ちが膨らむと、それと同じように鼓動の音も加速する。
ドキドキ、ドキドキ──…
全身が心臓になったみたいに、大音量で、鼓動の音が聞こえてくる。
向葵くんと会うのが怖い。
……でも、会いたい。
私と会わなくなってから向葵くんは、どうしていたのかな。
私、嫌われちゃったかな……。
それとももう声をかけてほしくないのかな。