こんな溺愛、きいてない!
みりん醤油の味がする
遥先輩の唇が、

私の唇にふわりと重なる。


「な、な、なにをいきなり」


「妬いた」


……遥先輩が、鈴之助に?

妬いた?


「そ、そんな、
妬くとか、そういうことじゃなくて!」


ちゅっ!


「……な、な、な⁈」


し、心臓、止まるっ!


「ちゃんと上書きして、
俺のこと刷り込んでおかないと、

鈴之助に取られても困るし」


「と、取られるとか、

そんなこと、
……あるはずない、よ」


だって、
鈴之助は、従妹なんだから!


「ただ……」


ぎゅっと唇をかんで下を向く。


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