こんな溺愛、きいてない!
「で、凛花ちゃんは、
どうするつもりなのかな?」


上目遣いでにっこりと笑う遥先輩の
瞳は全く笑っていなくて

ちょっとだけ、怖い。


「本当に、そういうんじゃ、
ない、と思う。

鈴之助も、
疲れすぎて、ちょっと
おかしくなってるだけだよ」


「はああ。
凛花は、とことん鈴之助に甘いからな」


「……甘い、のかな」


「甘すぎて、むかつく。

俺だって、妬くし、腹立つし、
いじけるし」


「そんなつもりは
ないんだけど……」


「じゃ、俺のことも甘やかして」


お弁当を置くと、
ゴロンと私の膝のうえに頭をのせて

遥先輩が空を仰ぐ。


ふてくされながらも、
気持ち良さそうに目を細める遥先輩を
見下ろして、

ドキリと心臓がとび跳ねる。


今日の遥先輩は、
ちょっとだけ、

可愛い……かも。


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