こんな溺愛、きいてない!
「俺、凛花のこと、
鈴之助の数百万倍、好きだから。

それ、忘れんなよ?」


「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」


「待たないし、待てないし」


「……っ!」


迷いなく重ねられた唇は
強引で余裕がなくて。


い、いき!

息が苦しいっ!


気絶するっ!


ぐぐっと両手で遥先輩を
押し返す。


けれど、
唇をはなした遥先輩は
その指先で、

まだ私の唇に触れていて。


「分かった、凛花?

俺のほうが、
ずっと凛花のこと好きだってこと
忘れんなよ。

鈴之助に、凛花はあげないよ」


甘くて激しい遥先輩の
あれやこれやに

引き起こされた動悸と息切れに
苛まれながらも、

必死で言葉をつむぎだす。


「ちゃんと、鈴之助と話すから」


「ん、なにかあったら、
いつでも俺のこと呼んで」


こくんと頷き、教室に戻った。



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