こんな溺愛、きいてない!
10年越しの。
首をかしげて、
遥先輩の次の言葉を待つ。
「俺、ガキのころ、
一時期、声出なかった時期があってさ」
声、が……?
「で、でも、私、遥ちゃんと、
色々なお話してたよ?」
「ん、凛花はそう言うと思った」
柔らかい秋の風のように
遥先輩が優しく微笑む。
だって、遥ちゃんとの思い出は
楽しい思い出ばかりで……
「うちの親、凛花も知ってる通り、
神経質で、完全管理型の親なんだよ。
今でもそうだけど、
昔はもっと病的に神経質でさ。
消毒してないものには触らせない、
市販のものは食べさせない、
良質なものしか目に触れさせない、
テレビだめ、ゲームだめ、みたいな。
で、物心ついたころから、
あれダメ、これダメって
やることなすこと訂正されて。
そのうち、
なにを言えばいいのか
分かんなくなって、
気が付いたときには、
話せなくなってた」
遥先輩は、他人事のように
笑顔すら浮かべて
話しているけれど、
それはきっと遥先輩にとって
辛い思い出……
遥先輩の次の言葉を待つ。
「俺、ガキのころ、
一時期、声出なかった時期があってさ」
声、が……?
「で、でも、私、遥ちゃんと、
色々なお話してたよ?」
「ん、凛花はそう言うと思った」
柔らかい秋の風のように
遥先輩が優しく微笑む。
だって、遥ちゃんとの思い出は
楽しい思い出ばかりで……
「うちの親、凛花も知ってる通り、
神経質で、完全管理型の親なんだよ。
今でもそうだけど、
昔はもっと病的に神経質でさ。
消毒してないものには触らせない、
市販のものは食べさせない、
良質なものしか目に触れさせない、
テレビだめ、ゲームだめ、みたいな。
で、物心ついたころから、
あれダメ、これダメって
やることなすこと訂正されて。
そのうち、
なにを言えばいいのか
分かんなくなって、
気が付いたときには、
話せなくなってた」
遥先輩は、他人事のように
笑顔すら浮かべて
話しているけれど、
それはきっと遥先輩にとって
辛い思い出……