こんな溺愛、きいてない!
「しーーーーっ!!!」


大きな声を出した遥先輩に駆け寄り、

遥先輩の肩をぐっとつかんで、
廊下の壁にドンっと押し付ける。


『し・ず・か・に!』


と、声なき声で伝えて、


背の高い遥先輩を
じっと下から見据えていると。


「やだ、エッチ」


遥先輩が意地悪そうな目つきで
私を見下ろす。


む、むむむ。
負けるものかっ!


おどける遥先輩と
じっと睨み合っていると、

遥先輩が口の端を歪めて笑う。


「凛花は情熱的だよな~っ。
でも、こんなところでは
さすがに、ちょっとなあ〜」


その一言に
周りの注目を
集めていることに気が付いて、

パッと遥先輩から手をはなした。


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