こんな溺愛、きいてない!
「あれ、凛花チャンに
拒否権なんてあったっけ?

俺の言うこと、
なんでも聞くんじゃなかったっけ?

俺が夜、
一人じゃ寝られないーって言ったら

セクシーな水着で
添い寝してくれるって
約束じゃなかったっけ?」


「そんな約束、してないっ!」


ぷいっ。


「じゃ、俺も鈴之助の知り合いだーって
学校のみんなに自慢しちゃおうかな♪

ついでに鈴之助のお姉さんとも
知り合いだーって」


くっ。


鬼だ、悪魔だ、


そもそも、『いとこ』のお姉さんだし!



「つまり
お互いメリットしかないってことだよ。
感謝しろよ、凛花」


得意げに口を開いた遥先輩に
がっくりと肩を落とす。


大好きだった遥ちゃんが
こんな、ひとでなしの
ロクデナシになっていたなんて。


もう、嫌だ……


と、気が付けば、
自宅マンション前に着いていた。


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