こんな溺愛、きいてない!
細い引き込み道路の奥に佇む
タイル張りのマンションの前で立ち止まる。
「じゃ、うち、ここだから。
お願いだから、うちの住所、
ネットでばらまくことのないように
お願いします」
ぺこりと頭を下げてお願いすると、
遥先輩が口を尖らせる。
「どんだけ信用ねえんだよ。
つうかさ、
一応、鈴之助と同じ事務所で
仕事してんだから、
そんなことするはずないだろ。
それより、凛花の家、
うちから近いじゃん。
ラッキー、これからよろしくな♪」
「え? うそ」
「ホント。
ここから五分もかからない。
凛花が寂しいときには
いつでも添い寝してやるから
呼び出せよ」
「すぐに、
110番通報できるようにしておく」
「ひでえ」
そう言いながらも
遙先輩は
肩を揺らして楽しそうに
笑っている。
もう、なにがなんだか
全然わからない。
「……さようなら、神楽坂先輩」
心の距離は、広まるばかり……
タイル張りのマンションの前で立ち止まる。
「じゃ、うち、ここだから。
お願いだから、うちの住所、
ネットでばらまくことのないように
お願いします」
ぺこりと頭を下げてお願いすると、
遥先輩が口を尖らせる。
「どんだけ信用ねえんだよ。
つうかさ、
一応、鈴之助と同じ事務所で
仕事してんだから、
そんなことするはずないだろ。
それより、凛花の家、
うちから近いじゃん。
ラッキー、これからよろしくな♪」
「え? うそ」
「ホント。
ここから五分もかからない。
凛花が寂しいときには
いつでも添い寝してやるから
呼び出せよ」
「すぐに、
110番通報できるようにしておく」
「ひでえ」
そう言いながらも
遙先輩は
肩を揺らして楽しそうに
笑っている。
もう、なにがなんだか
全然わからない。
「……さようなら、神楽坂先輩」
心の距離は、広まるばかり……