こんな溺愛、きいてない!
「うそだよ、
冗談に決まってるだろ」


「冗談じゃないのを知ってるから、
警戒してる」


遥先輩から離れて、
ソファの隅に座る。



「あのさ、凛花、
毎朝、走ってるんだろ」


「ん」


「それ、やめたら?」


「なんで?」


「だって、凛花、
瘦せる必要ないじゃん」


「ダイエットのために
走ってるんじゃないよ。
ただ、気持ちがいいから」


走っているときだけは
自由になれる。

自分自身からも、
この環境からも。
 
そんな解放感が好きだから。


「じゃ、明日から
俺も一緒に走ろっかな」


「遠慮しておくね」


「照れ屋だなー」


「邪魔なだけ」


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