こんな溺愛、きいてない!
「なんか、あったのかよ、前の学校で。
凛花のそれ、ちょっとおかしいだろ」
ため息を落として、
遥先輩から少し離れた場所に座る。
黙り込んでいると、
隣にどすんと遥先輩が座った。
「その理由、教えてくれなかったら
凛花が一番、
嫌がりそうなことで
オシオキ、するけど?」
くっ……
じっと見つめてくる遥先輩に
ぽつりとつぶやく。
「鈴之助の、邪魔したくないの」
「なんでここで鈴之助?」
「鈴之助、
ずっと、学校に行けてなくて」
遥先輩の視線が
ゆっくりと空へと向けられる。
「……いつから?」
「小学校5年生くらいのときから。
女みたいな顔してるって、
からかわれるようになったのが
きっかけだったって。
最初はケンカしたり、
言い返したりしてたらしいんだけど。
中学校も最初だけで。
悪目立ちしやすいし、
周りから浮いてるところがあるって、
学校からは、
まるで鈴之助がいけないような、
人格を否定するような言われ方したって」
地方の小さな街で
自分の居場所を失った鈴之助を
うちで預かることになったのは
私が中学2年の頃だった。
「人格否定はひでぇよな」
ため息混じりに
呟いた遥先輩の言葉が
風に舞う。
うちに来た頃の鈴之助は
本当につらそうな顔をしていた。
いまでもあの頃の鈴之助を思い出すと、
胸の奥がぎゅっと苦しくなる。
凛花のそれ、ちょっとおかしいだろ」
ため息を落として、
遥先輩から少し離れた場所に座る。
黙り込んでいると、
隣にどすんと遥先輩が座った。
「その理由、教えてくれなかったら
凛花が一番、
嫌がりそうなことで
オシオキ、するけど?」
くっ……
じっと見つめてくる遥先輩に
ぽつりとつぶやく。
「鈴之助の、邪魔したくないの」
「なんでここで鈴之助?」
「鈴之助、
ずっと、学校に行けてなくて」
遥先輩の視線が
ゆっくりと空へと向けられる。
「……いつから?」
「小学校5年生くらいのときから。
女みたいな顔してるって、
からかわれるようになったのが
きっかけだったって。
最初はケンカしたり、
言い返したりしてたらしいんだけど。
中学校も最初だけで。
悪目立ちしやすいし、
周りから浮いてるところがあるって、
学校からは、
まるで鈴之助がいけないような、
人格を否定するような言われ方したって」
地方の小さな街で
自分の居場所を失った鈴之助を
うちで預かることになったのは
私が中学2年の頃だった。
「人格否定はひでぇよな」
ため息混じりに
呟いた遥先輩の言葉が
風に舞う。
うちに来た頃の鈴之助は
本当につらそうな顔をしていた。
いまでもあの頃の鈴之助を思い出すと、
胸の奥がぎゅっと苦しくなる。