2番目
「...先輩たちは、有島先輩の何を知ってるんですか?」
そんな、火に油を注ぐようなことを聞いてしまったのはどうしてだろう。
「あ?」
案の定振り返った先輩たちの顔は例えるなら鬼。
先輩がわたしの胸倉を掴んできた。
殴られる―――。
「先生!こっちです!!」
「ちっ、いくぞ」
もうあと数秒遅かったら、わたしは殴られていただろう。
「かんな!!大丈夫!?」
先輩たちが去っていった方向と反対からきた美玲。
「うん。まだ、なにもされてないから」
「でも、手。血がでてるよ」
「それより、先生は?」
「嘘だよ。先輩たち結構いろいろ悪いことやってるみたいでさ。3年生だし受験に響くから先生ってワード嫌いかなって思って」
「なんで、そんな危ないこと」
もし嘘だってばれてたら美玲まで殴られてたかもしれない。
「とりあえず、保健室いこ」
そんな大した傷でもないのに、美玲が保健室にいこうといったのはなにか理由がある気がして。
わたしは素直に従った。