2番目


「入学式の日、かんなをみつけたとき運命だって思った」

美玲はどんな思いでわたしに声をかけたんだろう。


「嬉しかったなあ、それに全然変わってないから。かんなは私の中でずっと大好きな存在だったから」

「うん」

「本当はね、すごく怖かったよ。高校に行くのも。友達を作るのも。でもね、せっかく変わったんだから、楽しく過ごしたいなって。それにかんながいたから。あのとき、かんなと仲良くなってなかったらわたしは死んでたかもしれない」


美玲、ごめんね。

塾に通ってるとき少しでも美玲の抱えた闇に気づいていれば。

傷痕や、寂しそうな表情に気づいていれば。

自分の顔を変えることはどんなにつらかっただろう。

< 41 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop