2番目
好きだから
✬
「また、俺のせいでケガさせちゃったね」
わたしの手をみて「ごめん」とつぶやく先輩。
傷なんて残ってないし、全然大丈夫なのに。
あの騒ぎは広まっていて、先輩たちは叱られたと聞いた。
だから先輩は知ってるんだ。
わたしは別になにもいわなかったのに。
「あのときは足で今度は手か」
「先輩のせいじゃないです」
先輩は何も悪くない。
「ねえ、俺と付き合ってもいいことないよ。またこういう目に遭うかもしれない」
先輩はどれだけ人気があるのか自分でわかってる。
でも、決してわたしのことを助けてくれはしない。
きっとそれは中途半端な優しさになってしまうから。