2番目
縛られた過去
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「美玲!」
部活終わりの美玲を見つけて声をかけた。
「っ、ありしま、せんぱい?」
よく考えたらわかることだった。
声も、少しだけ伸びたけど相変わらず低い身長も、彼女がもつラケットも、よく目を凝らさないと見えないけどうっすらみえる傷痕も。
全部、彼女が美玲だということを物語っていて。
でも、まさかって思うじゃないか、普通は。
「どうしたんですか?」
「美玲なんだろ?佐々木、美玲」
「違いますよ、誰ですかそれ」
強気な部分も、変わらない。
3年前となにも変わりはしない。
ただ、大人びた彼女の顔は、変わってしまったけれど。