2番目
「もう、隠さなくていいよ」
「かくしてません。もういいですか?」
去っていく美玲の腕をつかむ。
「美玲。ごめん。俺なにも知らなくて。傷つけてごめん」
もう、美玲はこんな俺とは話したくないのかもしれない。
美玲を傷つけることしかできなかった俺なんかと。
「玲司は...何も悪くないよ」
「っ、美玲...」
「あの頃は、つらかったし苦しかったし、死にたかった。でも、玲司のせいなんて思ったことは一度もない」
「じゃあ、どうして...」
「あの頃は、玲司を突き放すっていう方法しか浮かばなかったからかな。でも、それがわたしなりに出した答えだったの」
「...」