本当は好きなのに



「……ぁ……」


 なんか……。


「あ?」


「あぁぁ~っ‼」


 なんか叫ばずにはいられなくなった‼


「……‼ ちょ……ちょっと遥稀、いきなりビックリするじゃないっ」


 だって、そんなわけ……そんなわけ……。

 松尾が……私のことを……なんて……‼


 と、思っているけれど。

 いつまでも頭の中がグルグルと回っていても何も解決しない。

 ……とりあえず……冷静になろう。

 そして。

 私は冷静になろうと必死に心を静めようとした。





 * * *





 ある日の放課後。


 私は教室を出て帰るところ。

 そして校内から出て、いつもの帰り道を歩こうとしたそのとき……。

「遥稀‼」

 ……え……。

 この声は……。




< 20 / 65 >

この作品をシェア

pagetop