本当は好きなのに
「……ぁ……」
なんか……。
「あ?」
「あぁぁ~っ‼」
なんか叫ばずにはいられなくなった‼
「……‼ ちょ……ちょっと遥稀、いきなりビックリするじゃないっ」
だって、そんなわけ……そんなわけ……。
松尾が……私のことを……なんて……‼
と、思っているけれど。
いつまでも頭の中がグルグルと回っていても何も解決しない。
……とりあえず……冷静になろう。
そして。
私は冷静になろうと必死に心を静めようとした。
* * *
ある日の放課後。
私は教室を出て帰るところ。
そして校内から出て、いつもの帰り道を歩こうとしたそのとき……。
「遥稀‼」
……え……。
この声は……。