本当は好きなのに
本当は……松尾のことが……好きなのに……‼
「遥稀……」
「なによ」
……辛い……。
「それが……遥稀の本当の……」
「え?」
……辛い……。
辛くて、辛くて……。
「……本当の……気持ち……なのか……?」
…………。
「……そうよ、だから何?」
……苦しい……。
苦しくて、苦しくて……。
心臓が……。
心臓が……鷲掴みされているみたいに……。
ものすごく……。
ものすごく強い力で締め付けられているみたいに……。
……苦しい……。
……すごく……。
……すごく……。
……ものすごく苦しい……。
「……遥稀……」
「はい?」
こんなにも悪態をついて……。
私……。
私は……。
私は……なんという……。
なんという……愚か……。
愚かで……。
愚かで、愚かで……。
本当に愚かだ……。