Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~
--- side Kei ---
体トレを終え、廊下が元通りになっていることを確かめた僕は音楽室に向かった。
すると、トイレから出てきた美玲を見つける。
(なんか顔色悪くないか?)
いつも元気な美玲なのに、何処か様子がおかしい。
――僕はこの時美玲に声をかけなかったことを後悔することになる。
そして、いつもの最上段のトップの席に座り、基礎合奏の準備をする。
「基礎合奏はじめます。木管からチューニングお願いします」
「「はい!」」
美玲は綺麗な指でキーボードを叩く。
入部当初は音感なんて全くなかった彼女も、ピアノが上手くて音感の鋭いゆうでさえ舌を巻く音感とピアノ技術をゆうに教わって身につけた。
(僕だって教えられたんだけどな)
彼女が笑顔でゆうの指導を受けている所をみて、いつも嫉妬心で溢れていた。
だから、今僕のものになっていることが何よりの幸せである。
「金管お願いします」
「はい」
彼女の指導はいくらでも受けていたい。
身につけた音感によってするアドバイスは的を得ているし、国語力があるので話もわかりやすい。
何より、一生懸命やっている姿が可愛い。
いつもは彼女の指示に音楽室の空気がガラリと変わる。
だが、今日は違った。
なんだかいつもよりキレがない。
(…無理してる?)
この間頼るよういったのだが。
そういうなんでも頑張るところは美玲のいい所だし惹かれたところではあるのだが、心配しかないのでやりすぎは本当にやめてほしい。
よし、終わったら美玲に話して休ませよう。
多分彼女は無理してこの後も練習を進めるだろう。
その前に僕が守らなくては。
9:50。相当体に来ているのだろうか、美玲はいつもより早く合奏を終わりにした。
美玲の元へ行こう。
「新川先輩」
呼ばれてしまった。
「はい」
「なんで朱里がこれ1stじゃないんですか!?」
…またか。
トランペットは花形楽器。特に1stはソロがあったりメロディーの中心になったり、とにかく目立つ。
疲れるパートだと僕は思うのだが、2年生はそうではないらしい。
「朱里、ソロやりたかったんです!!」
…どうしようもないな。
「1stとかソロはみんな均等になるようにしてるからごめんなさい。次あったときは板見さんを1stにするから。」
早く美玲の所に行かなくては。
「嫌です!!」
…子供か。というか保育園児か。
どう対処しようか考えていた時。
「美玲!?」
悲鳴に近い声が掛かる。
見ると、美玲が床に倒れていた。
「美玲!?」
僕は板見さんのことなんか忘れ、美玲の元に駆け寄る。
顔面蒼白という言葉が当てはまる。
「美玲、大丈夫か!?」
だいぶコレはやばい。
「けい、一旦どいて。」
驚いて振り向くと、部長がいた。
さらに周りを見ると、みんなが集まっている。
(らしくないことしたな。)
人前で感情が爆発することはめったにない。
おそらく、みんな美玲が倒れたことと、僕のいつもとの違いに興味があるのだろう。
「みんな、早くパート練いって!美玲は私たちで対応します」
部長の声に、部員たちは渋々と言った顔でパート部屋に移動を始める。
「美玲どこに運んだ方がいい?」
とりあえずここではダメだ。
そう思いきくと、部長はこう答える。
「とりあえず空き教室」
だよな。
「了解」
そう言うと、僕は右腕を美玲の肩あたり、左腕を太ももにかけ、抱き上げた。
「おぉ、けいお姫様抱っこですか」
うしろから美園さんに茶化される。
「私はあやに美玲の症状伝えるから、けいは2階のEnglishroomね。
ゆうはパート部屋いってみんながいつも通り練習出来るようにして。幹部みんな居ないのは最悪」
部長がテキパキと指示を伝える。
よし、行くか。
体トレを終え、廊下が元通りになっていることを確かめた僕は音楽室に向かった。
すると、トイレから出てきた美玲を見つける。
(なんか顔色悪くないか?)
いつも元気な美玲なのに、何処か様子がおかしい。
――僕はこの時美玲に声をかけなかったことを後悔することになる。
そして、いつもの最上段のトップの席に座り、基礎合奏の準備をする。
「基礎合奏はじめます。木管からチューニングお願いします」
「「はい!」」
美玲は綺麗な指でキーボードを叩く。
入部当初は音感なんて全くなかった彼女も、ピアノが上手くて音感の鋭いゆうでさえ舌を巻く音感とピアノ技術をゆうに教わって身につけた。
(僕だって教えられたんだけどな)
彼女が笑顔でゆうの指導を受けている所をみて、いつも嫉妬心で溢れていた。
だから、今僕のものになっていることが何よりの幸せである。
「金管お願いします」
「はい」
彼女の指導はいくらでも受けていたい。
身につけた音感によってするアドバイスは的を得ているし、国語力があるので話もわかりやすい。
何より、一生懸命やっている姿が可愛い。
いつもは彼女の指示に音楽室の空気がガラリと変わる。
だが、今日は違った。
なんだかいつもよりキレがない。
(…無理してる?)
この間頼るよういったのだが。
そういうなんでも頑張るところは美玲のいい所だし惹かれたところではあるのだが、心配しかないのでやりすぎは本当にやめてほしい。
よし、終わったら美玲に話して休ませよう。
多分彼女は無理してこの後も練習を進めるだろう。
その前に僕が守らなくては。
9:50。相当体に来ているのだろうか、美玲はいつもより早く合奏を終わりにした。
美玲の元へ行こう。
「新川先輩」
呼ばれてしまった。
「はい」
「なんで朱里がこれ1stじゃないんですか!?」
…またか。
トランペットは花形楽器。特に1stはソロがあったりメロディーの中心になったり、とにかく目立つ。
疲れるパートだと僕は思うのだが、2年生はそうではないらしい。
「朱里、ソロやりたかったんです!!」
…どうしようもないな。
「1stとかソロはみんな均等になるようにしてるからごめんなさい。次あったときは板見さんを1stにするから。」
早く美玲の所に行かなくては。
「嫌です!!」
…子供か。というか保育園児か。
どう対処しようか考えていた時。
「美玲!?」
悲鳴に近い声が掛かる。
見ると、美玲が床に倒れていた。
「美玲!?」
僕は板見さんのことなんか忘れ、美玲の元に駆け寄る。
顔面蒼白という言葉が当てはまる。
「美玲、大丈夫か!?」
だいぶコレはやばい。
「けい、一旦どいて。」
驚いて振り向くと、部長がいた。
さらに周りを見ると、みんなが集まっている。
(らしくないことしたな。)
人前で感情が爆発することはめったにない。
おそらく、みんな美玲が倒れたことと、僕のいつもとの違いに興味があるのだろう。
「みんな、早くパート練いって!美玲は私たちで対応します」
部長の声に、部員たちは渋々と言った顔でパート部屋に移動を始める。
「美玲どこに運んだ方がいい?」
とりあえずここではダメだ。
そう思いきくと、部長はこう答える。
「とりあえず空き教室」
だよな。
「了解」
そう言うと、僕は右腕を美玲の肩あたり、左腕を太ももにかけ、抱き上げた。
「おぉ、けいお姫様抱っこですか」
うしろから美園さんに茶化される。
「私はあやに美玲の症状伝えるから、けいは2階のEnglishroomね。
ゆうはパート部屋いってみんながいつも通り練習出来るようにして。幹部みんな居ないのは最悪」
部長がテキパキと指示を伝える。
よし、行くか。